霧越観測所 参― 書庫(原本のまま保存)―

※本所注記:参は「時刻」を観測していた。最後の記録が、文の途中で切れている。

2006.10.14
霧の湧く時刻を測って、七年目になる。湧く時刻は、季節でゆっくり動く。日没との差は、しかし、いつも同じ幅である。
2007.02.07
市内の時計を、片端から観測している。駅の時計、学校の時計、商店街の大時計。狂い方には、その持ち主の暮らしが出る。時計は、案外、正直に人を写す。
2007.11.28
面白い時計を見つけた。本町の喫茶店の柱時計である。よく手入れされ、ほとんど狂わない。ただ、決まった曜日の夕方にだけ、わずかに遅れて、翌朝には合っている。持ち主に訊くのは、やめておいた。ああいう狂いは、そっとしておくものだ。
2008.03.03
すべての時計を測り終えたら、次は、この街の「時刻そのもの」を測るつもりである。霧の湧く時刻。灯の消える時刻。ページの更新が止まる時刻。それらを並べると、この街には、どうも、もう一つ

(記録は、ここで切れている)

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